右俣林道近道について 《槍ヶ岳・飛騨沢ルート》

2022/05/08 更新


右俣林道近道入口

右俣谷林道には車道部分をショートカットして穂高平小屋へ向かう近道が地図上に記載されています。

現在、近道入口は地図で表示されている場所よりもやや上部、林道ゲートから600mほど歩いた場所にあります。



国土地理院地図より

以前の入口箇所は土砂の崩壊で通行出来なくなっています(下図オレンジ楕円部)。


林道から近道への取りつき(点線のない赤線部)は新たに切り開かれていますが、この標高差50mほどは急傾斜で滑りやすく、また踏み跡も不明瞭なためヘッドランプで歩くような時間帯は迷いやすくなっています。



右俣林道近道ルート上にて撮影

近道は山腹をトラバースする形で付いていますが、

崩れやすい沢筋や、10~15m滑落の恐れがある場所を通過する必要があり、

昨シーズンも大ケガにはつながらなかったものの転倒・滑落、道迷いが複数回起きています。

心が折れたり、怪我をしたりで引き返したという話も何件か聞き及んでいます。



穂高平小屋から見た、林道と近道の分岐

近道は穂高平小屋のトイレ脇に出ます。

近道入口から距離にすると約500m。

一方、林道(車道)をそのまま進むと約1.45km。

「900m以上もショートカット!」と考える方もいらっしゃると思いますが、

実際に歩いてみて(登り)の印象は体力消耗と神経を使う場所がかなりあるな、というものです。


確かにショートカット(900m、15分程度の短縮)は見込めるのですが、

道迷いや転倒・滑落のリスクを考慮するとそれほどお勧めは出来ないルートです。


また、テント泊装備を担いでいる時などザックの重さがある場合は、

急登で体力を吸われて、足もなかなか進まなくなるので時間の短縮も見込めず、そのあとの道のりを進むペースも遅くなるのでは、と考えます。


入山開始直後の場所でもあり、

穂高平小屋までは林道(車道)をゆっくり歩いて体を慣らすほうがトータルで考えるとベターだと思われます。



“回り道”の林道の風景

「林道歩きはつまらない・・・」

とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、

入山時は体を慣らす時間でもあり、

下山時ならば今回の山行を穏やかな気持ちで振り返る時間にもなり得ます。


時には眼下の沢にイワナが泳ぐ姿も。


先を急ぐお気持ちは痛いほどに。

けれどそんな時こそ、どうぞ無理なさいませんように。

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